市民が利用できるサポートセンター案内|堺市でご葬儀に不安をもつ方へ

身近な方を亡くされた直後は、悲しみと同時に連絡や手続きが重なり、「どこへ相談すればよいのか」「費用の見通しが立たない」と不安になる方が少なくありません。堺市では、区役所での「おくやみ手続きのサポート」など、ご遺族が手続きを進めやすくする仕組みが案内されています。まずは公的な窓口で状況を整理し、必要に応じて葬儀社にも相談すると、判断が落ち着きます。

本記事では、堺市で利用しやすい相談先の種類と役割、初回相談の流れ、費用と手続きの基本をまとめました。ご不安な点があれば、堺市の葬儀社、株式会社駕徳(かごとく)にもご相談ください。

著者|佐原 敏也

株式会社駕徳(かごとく)
佐原 敏也

株式会社駕徳(かごとく)は、私で四代目となる、創業から約100年続く葬祭企業です。
時代の変化に合わせて柔軟にサービスを磨きつつも、「人としての尊厳を守る」という変わらない根を大切にしながら運営しています。
堺市を中心に、ご葬儀に役立つ情報をわかりやすくお届けしています。


目次

堺市で「まず相談できる」窓口

「葬儀の相談先」といっても、堺市には一つの場所に全部が集まっているわけではありません。
ただ、困りごとを手続き・費用・心の不調に分けて考えると、迷いが減ります。どこに連絡すればよいか分からないときは、区役所の代表窓口に「おくやみ手続きと葬儀費用の相談をしたい」と伝えると、担当へつないでもらいやすいです。

相談先相談できることこんなときに向いています
区役所(おくやみ手続きのサポート等)死亡後の主な手続きの案内、必要書類の確認何から始めるか分からない/役所の手続きが不安
堺市立斎場(施設案内・使用料)火葬や施設利用の基本情報、使用料の目安火葬の費用感を先に知りたい/市立斎場を使う予定
保険の窓口(国保・後期高齢など)葬祭費などの給付の確認(制度により内容が異なる)給付があるか確認したい/申請の流れが不安
こころの相談(市の相談窓口・医療機関)不眠や強い不安など、心の不調の相談つらさが強く、日常生活に影響が出ている

区役所の「おくやみ手続きのサポート」とは

堺市では、亡くなられた後に必要になる手続きを分かりやすく案内するため、「おくやみ手続きのサポート」などの仕組みが案内されています。

来所前に予約が必要な場合や、対応できる内容が区によって異なる場合があります。まずは堺市の案内ページで、対象の区役所や相談方法を確認すると安心です。

初回相談をスムーズにする「3点メモ」

電話や来所の前に、紙やスマホのメモに次の3点を書いておくと、説明が短く済みます。分からない項目は空白で大丈夫です。

  • 相談者の氏名・住所・連絡先(誰が相談しているか)
  • 故人さまとの続柄と現在の状況(病院/施設/ご自宅 など)
  • いちばん困っていること(費用、場所、参列の範囲、宗教、手続き など)

「何を聞けばよいか分からない」状態でも問題ありません。最初は、困りごとの整理から始められます。

死亡届と火葬許可証

葬儀の準備と並行して、役所の手続きも進みます。特に「火葬に必要な書類」は、早めに流れを知っておくと慌てにくくなります。一般的には、次のような流れで進みます(細部は状況や区によって異なります)。

手続き何をするかポイント
死亡診断書の受け取り医師から書類を受け取る紛失しないように保管する
死亡届の提出区役所で届出を行う届出期限があるため、早めに相談する
火葬許可証の交付火葬に必要な許可証を受け取る火葬当日に必ず必要になる

実務では、葬儀社が死亡届の提出や火葬許可証の受け取りを代行するケースが多くあります。手続きを任せるかどうかは自由ですが、「今は判断がつらい」というときほど、代行の範囲を確認しておくと負担が軽くなります。

費用の不安があるときに、先に確認したいこと

葬儀費用は、形式だけで決まらず、安置日数や参列人数、返礼品や食事の有無などで変わります。判断がしやすくなるよう、費用を3つに分けて見ておくと整理しやすくなります。

  • 基本の費用:搬送、安置、棺や骨つぼ、火葬料など
  • 人数で増える費用:食事、返礼品、送迎など
  • 希望で変わる費用:祭壇、花、写真、演出など

費用を抑えたい場合に、先に相談してよいこと

費用が心配なときは、「安置日数」「参列人数」「式の内容(どのように行うか)」が費用に影響しやすいポイントです。遠慮せずに、次のように伝えてかまいません。

上限の目安があり、無理のない範囲で考えたい」
「家族中心で、人数が少ない想定」
「必要なものと、なくても困らないものを分けて説明してほしい」

見積もりで迷わないためのチェック表

見積もりは項目が多く、気持ちが疲れていると読み取りにくくなります。次の表を使うと、要点だけを確認しやすくなります。

チェック見るポイント質問の例
安置日数の想定火葬場の予約状況で日数が前後し、安置にかかる費用が変わる今の空き状況だと、安置は何日の見込みですか?
参列人数が増えた場合料理・返礼品の単価「人数が10人増えたらいくら増えますか?」
不要なものの有無必須か選択か「これは外しても問題ありませんか?」

手続きは「今すぐ」と「あとで」を分ける

つらい時期に、全部を一度に片づけようとすると負担が増えます。まずは、急ぐものだけを押さえ、残りは落ち着いてからで大丈夫です。

区分内容の例理由
今すぐ搬送・安置、火葬や日程の相談、連絡の優先順位予約や段取りに直結し、後ろにずれると選択肢が減りやすい
早め参列の範囲、返礼品や食事の有無、写真や飾りたい品人数が固まると費用と準備が整いやすい
あとであいさつ文、細かな演出、当日の細部担当者が流れに合わせて整えやすい

区役所へ相談するときに聞かれやすいこと

おくやみ手続きの相談では、すべてを説明する必要はありませんが、次の項目が分かると案内が早くなります。

項目分かる範囲でOKメモの例
故人さまの基本情報氏名、生年月日、住所住民票のある住所だけでも可
世帯の状況同居か別居か、主な相続人の見当「子が2人」など大まかで可
保険・年金国保、社保、後期高齢など保険証が見つからなければ「不明」で可
葬儀の予定まだ未定でも可「火葬は堺市内予定」など

堺市では、おくやみ手続きに関する案内や資料も用意されています。来所が難しい場合は、電話で「必要な手続きの一覧だけ知りたい」と伝える方法もあります。

葬儀社へ連絡するときに伝えると良いこと

葬儀社への相談は、喪主が決まっていなくても進められます。最初の連絡で、次の5点を伝えると話がまとまりやすいです。

  • 故人さまのお名前と年齢
  • お亡くなりになった場所(病院、施設、ご自宅)
  • いまの安置場所(または「これから相談したい」)
  • 希望するお別れの形(未定なら「家族中心で検討」など)
  • 費用の心配の有無(上限の目安があれば一言)

言いにくいと感じる方は、次のように短く伝えるだけで十分です。

例:「葬儀のことが分からず、まずは流れと費用の見方を教えてほしいです。家族で相談中で、形式はまだ決まっていません」

心のケア

葬儀が終わったあとに、強い不安、涙が止まらない、眠れない、食べられないといった状態が続くことがあります。つらさが強いときは、一人で抱え込まず、市の相談窓口や医療機関など、相談先を増やしてください。手続きの相談と同じくらい、心の回復も大切です。

公的窓口に加えて、地域の葬儀社へ相談するメリット

公的窓口は「手続きや制度の案内」に強く、葬儀社は「搬送・安置・式の段取り・費用の内訳説明」に強みがあります。両方を使うと、制度の確認と実務の段取りを並行できるため、結果として混乱が減ります。

よくある質問

相談したら、その場で決めないといけませんか?

決める必要はありません。最初は「現状の整理」と「必要な選択肢の把握」だけでも十分です。区役所の手続き案内と、葬儀社の見積もり説明を並行して受けると、落ち着いて判断できます。

費用が心配です。まず何を確認すればいいですか?

まずは火葬や施設使用の目安、見積もりの内訳、そして「基本・人数・希望」の3分類で確認しましょう。公的な給付がありそうな場合は、区役所で制度を確認すると安心です。

まとめ

堺市で葬儀の不安が強いときは、①区役所の「おくやみ手続きのサポート」等で手続きを整理し、②費用は内訳で見て、③必要に応じて地域の葬儀社にも相談することで、判断が落ち着きます。悲しみの中で、すべてを一人で決める必要はありません。今できることから一つずつ進めてください。

見積もりは、できれば2、3社ほど取り、同じ条件(人数、安置日数、返礼品の有無)で比べてください。金額だけでなく、説明の分かりやすさ、連絡の早さ、担当者の相性も大切です。追加費用が出やすい項目(安置、ドライアイス、控室、食事など)は、最初に確認すると安心です。喪主がつらいときは、連絡役を一人決めて情報を集め、決定だけを喪主が行う形でも進められます。少しずつで大丈夫です。

監修者|高橋 亮

株式会社ディライト 代表取締役
高橋 亮

葬儀業界専門の集客支援や人材サービスを手がける株式会社ディライト代表。葬儀・供養分野に特化したWebサービス「葬儀の口コミ」「お墓の口コミ」などを運営し、業界のデジタル化を推進している。
著書『後悔しない葬儀とお墓選び』(クロスメディア・パブリッシング)はAmazon冠婚葬祭部門で1位を獲得。
2025年8月26日にはフジテレビ『サン!シャイン』にてコメンテーターとしてテレビ出演。