終活とは、人生の終わりだけを見つめるものではなく、「これからどう生きたいか」をご家族と共有するための前向きな準備です。医療・介護・お金・葬儀など、決めることは多いように見えますが、すべてを一度に整える必要はありません。まずは、気になったところから一つずつ進めることが大切です。
本記事では、医療・介護・財産・葬儀の基本手順と費用の目安を、堺市の葬儀社・株式会社駕徳(かごとく)の現場での経験も踏まえながら、できるだけ分かりやすい言葉で整理します。最終的な目的は、ご家族の負担を軽くし、ご自身も安心して日々を過ごせる状態をつくることです。ご自身の状況に当てはめながら、無理のない範囲で読み進めてみてください。
肩の力を抜き、今日できる一歩だけで十分です。小さな行動でも、形にすると将来への漠然とした不安が和らぎます。
著者|佐原 敏也

株式会社駕徳(かごとく)
佐原 敏也
株式会社駕徳(かごとく)は、私で四代目となる、創業から約100年続く葬祭企業です。
時代の変化に合わせて柔軟にサービスを磨きつつも、「人としての尊厳を守る」という変わらない根を大切にしながら運営しています。
堺市を中心に、ご葬儀に役立つ情報をわかりやすくお届けしています。
終活とは何か:三つの柱で考える
終活とは、ご自身の安心とご家族の負担を軽くするために、暮らしを見直し、必要な情報や希望を整理していく取り組みです。「最期のこと」だけでなく、「これからの時間をどう過ごしたいか」を具体的に整える作業だと考えると、前向きに取り組みやすくなります。
終活を考えるときは、次の三つの柱に分けると整理しやすくなります。
- 身体:医療・介護・暮らし方(どこで、どんな支援で過ごすか)
- 財産:お金・契約・相続(何がどこにあるか、だれに何を残すか)
- 心:気持ち・人間関係・葬儀(どんな雰囲気で見送られたいか)
身体の終活(医療・介護・暮らし方)
身体の終活では、病気や介護が必要になったときに、どのような治療や暮らし方を望むかを考えます。延命治療をどこまで希望するか、自宅・施設・病院のどこで過ごしたいかなどを、できる範囲で言葉にしておくことがポイントです。
白い紙一枚でも構いません。避けたい治療、大切にしたいことを短く書き出してみてください。医療や介護の希望を書き残すものは「事前指示書」と呼ばれることもあります。気持ちが変わったら、日付を更新して作り直して問題ありません。
財産の終活(お金と契約の整理)
財産の終活は、「何がどこにあるか」をご家族が把握できる状態にすることから始まります。預貯金、年金、不動産、保険、クレジットやサブスク契約などを、完璧にまとめる必要はありません。まずは場所が分かるだけでも、ご家族の負担は大きく減ります。
相続税は、財産の内容やご家族構成によって必要な手続きが変わります。税額の計算や申告の要否の判断には専門的な確認が必要になることもありますので、気になる点がある場合は税理士などの専門家へ相談するのが安心です。早めに相談しておくと、書類の準備や進め方が整理でき、ご家族の負担も軽くなります。
心の終活(気持ち・人間関係・葬儀のイメージ)
心の終活では、誰に感謝を伝えたいか、どのような雰囲気で見送られたいかを整理します。「静かに家族だけで」「音楽を流して明るく」など、ご自分らしいお別れのイメージを、できる範囲で言葉にしてみてください。
こうした思いは、手紙やエンディングノートに書き残すと、ご家族が判断に迷いにくくなります。終活は、残される人を思いやるやさしい準備でもあります。
終活を始めるタイミングと、今日からできる一歩
終活に「決まった年齢」はありません。ただ、生活や環境が変わる節目は、考え始める良いきっかけになります。たとえば、次のような場面です。
- 子育てや仕事が一段落したとき
- 大きな病気や入院を経験したとき
- ご家族の介護や看取りを経験したとき
- 引っ越しや住み替えを考えたとき
終活は、一度で終わる作業ではありません。「今の考え」を書き残し、状況の変化に合わせて見直していく営みです。大きく構えず、定期的に見直す程度でも十分です。
| 今日からできる一歩 | やること(例) |
|---|---|
| 書き出す | 「大切にしたいこと」「避けたいこと」をメモする |
| 集める | 通帳・保険証券・年金の書類を一か所にまとめる |
| 伝える | 信頼できる家族一人に「もしもの時は相談したい」と伝える |
| 連絡先を残す | かかりつけ医、緊急連絡先、保険会社の連絡先をメモする |
医療・介護・看取りをめぐる終活:決めるより「共有」を優先する
医療や介護、どこで最期を迎えたいかという希望は、ご家族の心身の負担に直結する大切なテーマです。最初から結論を出す必要はありません。「何を大事にしたいか」を共有することが、いざという時の支えになります。
| 項目 | 整理しておきたい内容 |
|---|---|
| 治療や延命の希望 | 痛みを抑えることを優先したいか、延命治療をどこまで望むか |
| 暮らしの場所 | 自宅・施設・病院のどこで過ごしたいか(希望と不安点) |
| 緊急時の連絡先 | まず連絡してほしい家族、かかりつけ医の連絡先 |
話し合いは、医師や看護師、ケアマネジャーを交えながら少しずつ確認すると無理がありません。言葉にしづらい場合は、次のような問いから始めると整理しやすくなります。
- つらくなったとき、最優先してほしいことは何か
- 受けたい医療と、控えたい医療は何か
- 介護をどこで受けたいか(自宅・施設など)
- 家族にお願いしたいこと、お願いしたくないことは何か
「できれば自宅で穏やかに過ごしたい」という希望もよく伺います。訪問診療や訪問看護、介護保険の支援を早めに利用すると、ご家族だけで抱え込みにくくなります。もしもの時の流れに不安がある場合は、堺市の身近な葬儀社に事前相談し、連絡手順や必要な準備を一緒に確認する方法もあります。
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お金と財産の終活:相続は「一覧化」がいちばん効く
お金や財産の話は「難しそう」と感じやすい分野です。終活で大切なのは、税金計算を自分で完璧に行うことではなく、ご家族が困らない形に情報を整えることです。
まずは「財産と契約の一覧」を作る
- 預貯金(金融機関名・支店名・通帳の保管場所)
- 保険(会社名・証券の保管場所・担当窓口)
- 不動産(所在地・権利証や契約書の保管場所)
- 年金(基礎年金番号が分かる書類の保管場所)
- 毎月の支払い(クレジット、サブスク、公共料金の支払い方法)
一覧表は、金額まで書けなくても構いません。まずは「どこにあるか」が分かることが大切です。葬儀費用にあててほしい口座がある場合は、その意図もメモしておくと、ご家族が迷いにくくなります。
遺言書は「必要になったら」でも遅くありません
遺言書は、家族関係や財産の内容によって必要性が変わります。不動産がある、相続人が複数いる、渡したい相手がはっきりしているなどの場合は、専門家への相談も視野に入れると安心です。公正証書遺言を利用する場合は、公証人や専門家と連携しながら進めると形式面の不備を防ぎやすくなります。
株式会社駕徳(かごとく)では、葬儀の事前相談の中で「何を先に整えればいいか」といった不安も伺い、必要に応じて信頼できる専門家の紹介につなげることも可能です。まずは、困っている点を言葉にするところからで十分です。
株式会社駕徳(かごとく)の特長(相談先としての強み)
- 自社ホール完備:家族葬に向いた自社会館があり、落ち着いた空間で相談していただけます。
- 状況に合わせた提案:必要なサービスを整理し、無理のない形を一緒に考えることができます。
- 実績と信頼:長く堺市で葬儀を支えてきた会社として、豊富な実績と信頼があります。
- 品質評価の公表:全葬連「葬祭サービス安心度調査」で最高位AAA評価を受賞しています。
また、事前の資料請求による割引が用意されているプランもあります。詳しくは、ぜひお電話でお問い合わせください。
費用の目安や、ご家族に合う葬儀の形で迷う場合は、株式会社駕徳(かごとく)までご相談ください。ご希望とご予算を伺い、比較しやすい形で複数の案を提示し、見通しを整えさせていただきます。
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終活を無理なく続けるために:大事なのは「更新できる形」
終活は、「死についてだけ考える時間」ではありません。自分らしく生きるために、今できる備えを少しずつ整える取り組みです。完ぺきを目指すほど続きにくくなるため、更新しやすい形にすることが大切です。
- 一枚のメモでもいいので、日付を入れて残す
- 変更が出たら「書き直す」前提で進める
- 家族に一人だけでも共有しておく
株式会社駕徳(かごとく)も、堺市の皆さまの身近な相談先として、迷いが少しでも軽くなるようお手伝いしています。小さな不安の段階でも、事前に相談することで選択肢が見えやすくなります。
よくある質問
終活はどのタイミングで始めるべきですか?
終活に決まった時期はありません。生活の節目(病気・入院、介護、住み替えなど)をきっかけに考え始める方が多いです。まずは「家族に伝えておきたいこと」を書くところから始めると、無理なく進められます。
葬儀の費用はどのくらい必要ですか?
葬儀費用は形式や内容で増減します。火葬式は十数万円から、一日葬や家族葬は数十万円が目安です。祭壇・会食・返礼品の有無で金額が変わるため、優先順位を整理して見積もりを複数案で比較すると納得しやすくなります。
遺言書の作成は誰に相談すべきですか?
内容によって相談先は変わります。簡単な内容であれば公証役場や自治体窓口で一般的な手順を確認しつつ進める方法もあります。不動産や事業資産がある場合、税金の影響が気になる場合は、司法書士・弁護士・税理士など専門家への相談が安心です。
まとめ
本記事では終活を「身体・財産・心」の三つの柱に分け、医療・介護の希望、財産の一覧化、葬儀の形式と費用目安などについて整理しました。終活は、今の考えを残し、必要に応じて更新していく取り組みです。最初から完ぺきを目指さず、できるところから始めてください。
初めて終活に取り組む方は、通帳や保険証券の整理、希望や避けたいことの書き出し、信頼できる家族への共有から始めると安心です。堺市で具体的な進め方や費用の見通しを確認したい場合は、株式会社駕徳(かごとく)へ事前相談することで、ご家族の負担を軽くする段取りを一緒に整えられます。
監修者|高橋 亮

株式会社ディライト 代表取締役
高橋 亮
葬儀業界専門の集客支援や人材サービスを手がける株式会社ディライト代表。葬儀・供養分野に特化したWebサービス「葬儀の口コミ」「お墓の口コミ」などを運営し、業界のデジタル化を推進している。
著書『後悔しない葬儀とお墓選び』(クロスメディア・パブリッシング)はAmazon冠婚葬祭部門で1位を獲得。
2025年8月26日にはフジテレビ『サン!シャイン』にてコメンテーターとしてテレビ出演。
